
「ホームページはあるけれど、問い合わせにつながらない」「YouTubeやInstagramを始めたものの、何を発信すればいいのかわからない」。工務店やリフォーム会社のWeb集客は、手段が増えた分、何から手をつけるべきかが見えにくくなっています。
この記事では、問い合わせが増えるWebサイトのつくり方と、YouTube・InstagramなどのSNSをどう連動させるかについて、リフォーム業界ならではの視点で解説します。
まず、自社のリフォームカテゴリーを把握する
Web集客を考えるとき、最初にやるべきことは、自社のビジネスカテゴリーを把握することです。リフォームと一口に言っても、中身は大きく次のように分かれます。
| 水回り | キッチン、お風呂、洗面、トイレなど |
|---|---|
| 設備交換 | レンジフード、換気扇、給湯器、エコキュートなど |
| 小工事・修理 | 水栓修理、パッキン交換など |
| 外装・屋根 | 外壁塗装、屋根塗装、屋根修理、屋根葺き替え、雨漏り修理など |
| エクステリア | カーポート、ウッドデッキ、フェンスなど |
このうち、自社のリフォーム売上でどのカテゴリーが一番大きいのかを、まずは数字でしっかり把握してください。何となく「うちは何でもやっている」という状態のままサイトをつくると、誰に何を伝えたいのかがぼやけ、問い合わせにつながりにくくなります。
カテゴリーを決めたら、地域の競合を研究する
主力カテゴリーが決まったら、その分野で地域の競合他社がどんなWebサイトをつくり、何を打ち出しているのかを研究します。
- 検索したときに、どの会社が上位に表示されるか
- 価格の見せ方、施工事例の量、お客様の声の出し方
- 問い合わせの導線(電話・LINE・フォーム)の置き方
競合を知ることで、自社が勝てるポイントと、お客様に伝えるべき違いが見えてきます。Webサイトの設計は、そこから始まります。
「業界を知るディレクター」かどうかで、サイトは変わる
Webサイトの設計で最も重要なのは、制作を担当するディレクターや設計会社が、リフォーム業界のマーケティングを熟知しているかどうかです。
お客様が何を不安に思い、どんな順番で検討するのか。顧客層の年齢はどのくらいか。現場の営業担当者が、どのような説明で契約をいただいているのか。こうした知見がないまま、見た目だけを整えたサイトをつくると、どうしてもお客様の検討の流れとズレが生じてしまいます。制作会社を選ぶ際は、デザインの好みだけでなく、業界への理解の深さを必ず確認してください。
リフォームは「分かりにくい商材」。だからWebで丁寧に伝える
そもそもリフォームは、一般の方にとって非常に分かりにくいビジネスモデルです。
定価が実態と合わない
キッチンや給湯器などの設備機器には定価がありますが、実際は定価通りに販売されることはほとんどありません。リフォーム会社は商社から卸価格で仕入れて販売しているため、一般の方からは「本当の価格」が見えにくくなっています。
工事費は、家ごとに変わる
さらに、商品代に加えて工事費がかかり、既存の設備の状態や配管、下地の傷み具合など、現場の工事のボリュームによって総額が大きく変わります。だからこそリフォームは、現地調査を行って工事内容を確認し、そのうえで見積もりを出すという流れになります。
- 価格の目安と、価格が変わる理由(商品代+工事費の内訳)
- 問い合わせから現地調査、見積もり、工事、アフターまでの流れ
- 施工事例とお客様の声(同じような家・同じような悩みの実例)
この一連のプロセスをWebサイト上で分かりやすく見せることが、お客様の不安を和らげ、「まずは相談してみよう」という問い合わせにつながります。細かいロジックを丁寧に説明できるのは、Webサイトならではの役割です。
SNSの役割:YouTubeは「解説」と「ビフォーアフター」
一方で、YouTubeやInstagramは、短い時間で動画を見せる媒体です。Webサイトのように細かいロジックを懇切丁寧に説明するのには向いていません。SNSには、SNSに合った役割を持たせることが大切です。
1. レクチャー動画(解説)
YouTubeの活用方法として特に適しているのが「解説」です。専門家である自社のスタッフが出演し、たとえば次のようなテーマを解説します。
- このリフォームで気をつけるべきポイント
- リフォーム費用の仕組み
- キッチンのメーカーごとの違い(タカラスタンダードとTOTOの比較など)
専門的で分かりにくい業種だからこそ、プロが分かりやすく解説する動画はYouTubeで大きな役割を果たします。「この会社は詳しい」「この人に相談したい」という信頼を、来店前につくることができます。
2. ビフォーアフター・工事風景
普段なかなか目にすることのない工事中の風景も、人気の高いコンテンツです。かつてはテレビのリフォーム番組や住まいの紹介番組でしか見られなかった世界を、今はYouTubeで誰もが見られるようになりました。ルームツアー形式でビフォーアフターを紹介する動画には、一定の視聴者がつきやすい傾向があります。
また、DIYや工事の様子を撮影した動画も人気があります。作業風景は「ながら見」がしやすく、解体してすっきりした状態から組み上げ、完成していく過程には、見ている人の気持ちを軽くする力があります。古いものを活かしつつ、解体・再構築して新しくしていく様子には希望を感じますし、完成後の心地よい空間を見るのは、とても気持ちの良いものです。こうしたルームツアー動画は、YouTubeでもInstagramでも人気を集めています。
不動産を掛け合わせるという切り口
リフォームに不動産を絡めるのも、面白い切り口です。賃貸・売買ともに物件を探す人の動きは常にあります。そうした層に向けて、「リフォーム済み物件」「購入後にリフォーム予定」といった要素を掛け合わせた発信をすることで、これまで接点のなかったお客様との出会いが生まれます。
まとめ:主導権は、自分たちが握る
- 自社のリフォームカテゴリーを把握し、売上の一番大きい分野を明確にする
- そのカテゴリーで地域の競合を研究し、Webサイトを設計する
- 業界を熟知したディレクター・制作会社をパートナーに選ぶ
- 分かりにくい価格と工程を、Webサイトで丁寧に伝える
- YouTubeは「解説」と「ビフォーアフター・工事風景」で役割を持たせる
- 不動産との掛け合わせで、新しい接点をつくる
まずはWebサイトで自社の強みとなるカテゴリーを確立し、そこにYouTubeなどのSNSコンテンツをセットしていく。取り扱うカテゴリーによってSNSの向き不向きがあるため、住宅業界に詳しいSNS運用会社やYouTube制作会社など、良質なパートナーを見極めることも重要です。
ただし、リフォームについて最も詳しいのは、現場を知る経営者自身です。制作会社に任せきりにするのではなく、自分たちで主導権を握って進めていく。それが、問い合わせが増え続けるWeb集客の一番の近道です。
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※記事内の割合や傾向は、地方都市のリフォーム会社を想定した目安です。地域や取り扱いカテゴリーによって最適な配分は変わります。
