
「紹介や知り合いからの依頼が中心で、毎月の問い合わせ数が安定しない」「チラシやWeb広告を出しているのに、何が効いているのかわからない」。売上1〜10億円規模のリフォーム会社の経営者から、よく聞くお悩みです。
紹介は確かにありがたい集客経路ですが、紹介だけに頼っていると、売上の波を自社でコントロールできません。この記事では、紹介に頼らず、自社の力で問い合わせを生み出す集客の仕組みを、地方都市のリフォーム会社を前提に、優先順位の高いものから順番に解説します。
集客は「営業戦略」から逆算して計画する
集客の話になると、つい「どの媒体が一番効くのか」に目が行きがちです。しかし最初に決めるべきなのは媒体ではなく、自社の営業戦略です。
- どのエリアで、どれだけのシェアを取りにいくのか
- どのリフォームカテゴリー(外装・水回り・設備交換など)を主力にするのか
- 営業担当者が月に何件の商談をこなせるのか
これらが決まると、「月に何件の問い合わせが必要か」「どのエリアに、どんな媒体を、どれだけ投下するか」が逆算できます。営業の受け皿が決まっていないまま集客だけを増やしても、追客が回らず、せっかくの反響を取りこぼしてしまいます。集客は、営業戦略に組み込まれた計画として考えることが出発点です。
地方都市の集客の基本軸は、チラシ
Web集客やSNS集客は年々伸びていますが、地方都市のリフォーム会社にとって、集客の基本軸は今もチラシです。目安として、リフォームの集客はチラシが6〜7割を占めると考えてください。
リフォームを検討するお客様の中心は、持ち家に長く住み、住まいの不具合に気づき始めた世代です。その方々が日常的に目にし、手元に残して家族と相談できる媒体として、紙のチラシは今も強い力を持っています。
主力は折込チラシ
チラシには折込チラシとポスティングチラシがありますが、主力となるのは折込チラシです。ポスティングは配布エリアを細かく指定できるため、重点エリアの深掘りや、施工中の現場周辺への告知などで組み合わせると効果的です。
集客予算の6〜7割は、まずチラシに投じる。残りでWeb・SNS・イベントなどを組み合わせる、という配分が地方都市では基本形になります。
ただし、地域の年齢構成や新聞の購読率、取り扱うカテゴリーによって最適な配分は変わります。反響の数字を記録しながら、自社にとっての最適値を探していくことが大切です。
店舗は「最大の広告」。ショールーム戦略と専門性
チラシと並んで重要なのが、店舗です。リフォーム会社にとって店舗は、それ自体が地域に向けた最大の広告になります。
小さな店舗を増やすより、大きなショールームを
新しい市場に出ていくとき、小規模な店舗をいくつも出すよりも、大型の店舗をショールームとして出店するほうが大きな一手になります。実物の設備や素材に触れられ、「あ、これいいな」と思える体験ができるショールームは、来店のきっかけにも、商談の場にもなり、地域での存在感を一気に高めます。
大型店舗が難しい場合は「何の店か」を明確に
すぐに大型店舗を出せない場合は、自社が何のリフォーム店なのかが、ひと目で分かる店づくりが重要です。リフォームは外壁・屋根、水回り、設備交換、内装など、カテゴリーが多岐にわたります。「何でもできます」は、お客様から見ると「何が得意かわからない」と同じです。外壁塗装の専門店、水回りの専門店というように、専門性をはっきり打ち出すことで、お客様の頭の中に「〇〇ならあの店」という居場所をつくれます。
看板・ウィンドウサインで、店舗を地域に覚えてもらう
店舗の効果を最大化するのが、看板です。車で通りがかった方が、遠くからでも店名と「何の店か」を認識できる大きな看板。歩行者や信号待ちの車から目に入るウィンドウサイン。これらは毎日、24時間、地域の方に店舗のブランドイメージを伝え続けてくれます。
- 道路の流れや交差点の位置を考え、遠くからでも見える位置・大きさにする
- 店名だけでなく「外壁塗装」「水回りリフォーム」など、カテゴリーを大きく入れる
- 社長やスタッフの顔を出し、「誰がやっている会社か」を見せる
店舗の周りをしっかりつくり込むことで、チラシを見たときに「あの看板の会社だ」と思い出してもらえるようになり、チラシの反響率も高まります。
リアルメディアの上に、Webを重ねる
ここまでのチラシ・店舗・看板は、いわば集客の「軸」となるリアルメディアです。Webサイト、Webマーケティング、SNSは、その上に重ねていくイメージで考えてください。
チラシや看板で会社を知ったお客様の多くは、問い合わせの前にスマートフォンで会社名を検索し、ホームページを確認します。つまりWebサイトは、リアルメディアで生まれた関心を問い合わせに変える「受け皿」でもあるのです。SEOで検索から集客したり、リスティング広告を出したりする前に、まずは土台となるWebサイトをしっかりつくり込むことが重要です。
問い合わせの「出口」をつくり込む
Webサイトで最も大切なのは、問い合わせの出口(コンバージョン)です。リフォーム会社の場合、主に次の3つを用意します。
| 見積もり問い合わせ | フォームから、工事内容や住所を入力してもらう。入力項目は必要最小限にし、迷わず送れるようにする |
|---|---|
| LINE相談 | 写真を送って気軽に相談できる。若い世代や、まだ検討段階のお客様の入口になる |
| 電話での問い合わせ | リフォームのお客様は電話を選ぶ方が多い。特にスマートフォンからのタップ数が多い |
特に電話は、リフォームならではの重要な出口です。電話番号を大きく掲示し、スマートフォンでは電話ボタンを大きく配置する。画面をスクロールしても常に電話・LINEのボタンが見えるようにする。こうした導線は、リフォーム会社のサイトでは絶対に欠かせません。
カテゴリー別のランディングページは必須
Webでもう一つ欠かせないのが、自社のリフォームカテゴリーごとのランディングページ(LP)です。「外壁塗装」「お風呂リフォーム」「給湯器交換」など、お客様は具体的な工事名で検索し、広告をクリックします。その着地先が会社のトップページでは、お客様は自分の求める情報にたどり着けません。
- カテゴリーごとに、価格の目安・施工事例・工事の流れ・お客様の声をまとめる
- チラシのQRコードや広告の着地先として使う
- そのカテゴリーの問い合わせ(見積もり・LINE・電話)にまっすぐつなげる
主力カテゴリーから順番にLPを整えていくことで、検索・広告・チラシのどこから来たお客様も、迷わず問い合わせにたどり着けるようになります。
まとめ:紹介に頼らない集客は「土台」から
- 集客は、営業戦略から逆算した計画として考える
- 地方都市の基本軸はチラシ。予算の6〜7割を目安に、主力は折込チラシ
- 店舗は最大の広告。大型ショールームか、専門性が伝わる店づくりを
- 看板・ウィンドウサインで、店舗のブランドイメージを地域に浸透させる
- リアルメディアの上にWebを重ね、問い合わせの出口(見積もり・LINE・電話)をつくり込む
- カテゴリー別のランディングページを用意する
こうした土台を一つずつつくり込んでいくことで、紹介だけに頼らず、一定数の問い合わせを自社で生み出せるようになります。THE FORWARD では、平松建工が地方商圏で実践してきたチラシ・店舗・Webの組み立て方を、出店・マーケティングメソッドとして共有しています。
※記事内の割合や傾向は、地方都市のリフォーム会社を想定した目安です。地域や取り扱いカテゴリーによって最適な配分は変わります。
